
このページでは、エースコックの「たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て」を食べてレビューしていきます。
「たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て」はどんなカップ麺?
今回のカップ麺は、エースコックの「たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て」。2018年11月19日発売の、「焼そばモッチッチ」シリーズの新商品です。今回はシリーズ初となる「たらこ味」のカップ焼そば。たらこ焼そばってかなりの定番味なので、今まで「焼そばモッチッチ」で発売されていなかったのがちょっと意外ですよね。
- 「焼そばモッチッチ」とは?
特徴1. 真空仕立て麺
“めん”の中の密度を高めることにより、まるで手作りの焼そばのような食感を実現した麺。
「焼そばモッチッチ」の麺は、食べてみると確かに他社のカップ焼そばの麺とはまったく違い、まるでチルド焼そばのような食感です。麺内の密度を高めることにより実現した食感とのことですが、「真空仕立て麺」という名称を含め、どういう風に作っているのかはいまいちイメージできません。麺の中に空気が入ってなくて「真空」ということなのでしょうかね。
この「真空仕立て麺」という言葉を見るたびに「空」つながりで、淡麗系ラーメンで一世を風靡した神奈川のラーメン店「中村屋」の店主がやっていた、「天空落とし」という上から下に振り落とす湯切り法を思い出します。中村屋では「真空平打ち麺」という麺を供していて、真空ミキサーというもので麺を練ることで、コシの強い麺が出来上がるとのこと。案外、今回の「真空仕立て麺」は中村屋からヒントを得ているのかもしれませんね。ミキサーで小麦の粒子を小さくして麺密度を高めるとか。おぉ、なんか合致しましたよ!
特徴2. ボックス型容器
おしゃれな女性向けのデザインで、持ちやすく、口径が小さいため放熱が少なく冷めにくい容器。
「真空仕立て麺」は食べてみないと実感できない特徴ですが、容器の形は店頭で分かる特徴ですね。以前は今回と同じエースコックから「JANJAN焼そば」という商品が発売されていて、それにも同じ容器が使用されていましたが、「JANJAN」は現在、完全に「焼そばモッチッチ」に置き換わりました。
確かに男性が手に取るには少しおしゃれなデザインで、女性向きの感は出ています。冷めにくい容器というのは言われてみるとそうかもなぁという感じでしょうかね。
女性向きということであれば、「焼そばモッチッチ」シリーズはカップ焼そばとしては麺量が少なめで、且つカップ焼そばの割にカロリーが低いというところに、女性を意識している様子が窺い知れるように思います。
メーカーサイトではこれら大きな2つの特徴の他にも、「だし風味ソース」であることを強調していましたが、こちらはソース自体の特色というよりは、麺のおいしさを引き立てるためにソースの味を控えめにするがゆえの「だし風味」という印象を受けています。今回も商品名に「だし塩仕立て」と入っているため、麺を立てる構成になっていると思われますが、果たしてどんな味に仕上がっているのでしょうか。
- これまでに発売されてきた「焼そばモッチッチ」のフレーバー
内容物、価格、購入額など

別添袋は「調味たれ」と「ふりかけ」の2つ。カップには予めキャベツが入っていました。
品名 | たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て |
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メーカー | エースコック |
発売日 | 2018年11月19日(月) |
麺種別 | 油揚げ麺 |
かやく・スープ | 2袋(調味たれ・ふりかけ) |
定価 | 税別180円 |
取得価格 | 税込184円(セイコーマート) |
栄養成分表
1食100g(めん85g)あたり
エネルギー | 399kcal |
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たん白質 | 9.0g |
脂質 | 12.9g |
炭水化物 | 61.8g |
食塩相当量 | 4.6g |
カルシウム | 218mg |
麺量85gはカップ焼そばとしてはちょっと少なめで、399kcalというのはカップ焼そばとしてかなり少ないです。ギリギリ400kcalを切っているあたり、女性をターゲットにしているために、意図的に低カロリーを狙っているものと思われます。私オサーンたまに大ボラ吹くので、ひょっとしたら見当違いなことを言っているかもしれません。
調理後写真

透明感ある麺の上に、キャベツと別添ふりかけのたらこが入った構成。ソースはだし塩だれで色が薄く、全体的にソース焼そばよりもだいぶやさしい色合いですね。麺がどうしても少なく見えますが、実際カップ焼そばの割に少ないとは言え、85gはしっかり入っているので、見た目ほど少ないわけではありません。
ソース
ソースは「鰹を利かせた和風味ベースに、たらこの風味をバランスよく利かせた、たらこ味焼そばたれ」とのこと。
ソース焼そばのような強い味はなく、魚介だしベースのあっさりしお味で、ほんのり、ホントほんのりとたらこの風味が感じられます。カップ焼そばとしてはかなりあっさりめなソースです。
ソース単体では主張のあまりない、麺を立てるためのあっさりだし風味ソース
鰹だしの効いたあっさりしお味のソースで、たらこがほんのりと香ります。よく味わうとやさしいだし味でおいしいですが、それと同時に、ソースは脇役として、麺や具を引き立てるための役割を担っている印象を強く持ちます。また、基本的にカップ焼そばはソース味の強いものが多いので、この商品のターゲットが普段からカップ焼そばを買う層ではなく、普段カップ焼そばを食べない人たちであることも垣間見える味となっていました。
私のような、カップ麺ばかり食べて舌がバカになってしまっているものからすれば、正直ソース単体ではちょっと物足りない味ではあります。この薄味傾向はこれまでの「焼そばモッチッチ」シリーズ全般に言えることですが、今回の「たらこ味」では特にその傾向が強いように感じます。ほんのり魚介の香るやさしいしお味で、ガッツリ食べたい味とは対極にあるような味でした。お上品系。
麺

麺は「まるで家庭で調理した焼そばのような、モチモチとした食感が特長の真空仕立て麺」とのこと。
「焼そばモッチッチ」シリーズの最も大きな特徴である「真空仕立て麺」を使用した、まるで家庭で食べるチルド麺のような食感を持つ油揚げ麺です。チルド麺らしいもちもち感が大きな特徴です。ちょっと透明感があってきれいです。
「真空仕立て麺」の持つ甘みが、あっさりだし味ソースの中でよく映えている
家庭で食べるチルド焼そばのような食感を持つ油揚げ麺で、チルド焼そばの「マルちゃん焼そば」などと比べるとちょっと細いため、食感もそれに伴ってやわらかめです。このもちもち感と独特な粘り気のある食感は、カップ焼そばとしてはこのシリーズ以外でお目にかかったことがなく、強烈な個性を発揮しています。どうして他社は今までこういう麺を作ってないのだろうと、ちょっと不思議に感じてしまうレベルの優れた麺です。
チルド麺のような食感だけではなく、麺らしい甘みを感じるのと、油揚げ麺臭をあまり感じないことも大きな特徴で、それゆえに今回のあっさりだし味のソースと組み合わせても、麺の甘みを主張しつつ、油揚げ麺臭的なアクを前に出してきません。メーカーとしてはソースをあっさり味にしている理由は幾つもあるのでしょうが、個人的には、この麺のおいしさを引き立てるためにというのがいちばん大きな理由のように感じられます。
具

具は「シャキシャキとした食感の良いキャベツ、たらこを入れ」たとのこと。
麺とともにもともとカップに入っているキャベツと、別添「ふりかけ」のたらこの構成です。キャベツは薄切りですがそれなりに量は入っていて、たらこはしっかりとした量が入っています。
たらこは塩分抑えめで、キャベツはあっさりソースの中で甘みを感じる
今回の「たらこ味」の主役であるたらこは、たらこの風味を感じさせつつも、しお味は抑えめ。たらこだからといってそんなしょっぱいわけではなかったです。たらこが入ると麺とソースのやさしいやさしい組み合わせが一気に強い味になるような印象がありましたが、全然そんなことはなかったです。しょっぱくないとは言え結構量は入っているので、やさしい味のソース以上に存在感はありました。
歳を重ねてだんだん塩辛い商品が苦手になってくると、こういう配慮がありがたいと思うことがままあります。女性向けの味なのかもしれませんが、濃い味しょっぱい味を受け付けなくなっている人向けの味と言っても良いのではないかと思います。ほんと、カップ焼そばらしからぬやさしい味です。
今回は薄味のソースなので、相対的にいつも以上にキャベツの甘みが際立っています。ソースの薄味を我慢できるなら、麺、たらこ、キャベツの素材の味をしっかり楽しめる、良いバランスでした。
オススメ度(標準は3です)
- エースコック 「たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て」
やはり1にも2にも「真空仕立て麺」が大きな特徴で、カップ焼そばながらまるでチルド麺のような食感が印象的な一杯でした。この麺はクセがなく甘みを感じられ、あっさりだし味のソースがこの甘みをうまく引き立てています。また、具のたらこは塩分控えめで、やさしい味のソースと麺のバランスを壊すことなく、しっかり調和できていました。女性向け商品ではありますが、しょっぱい味が苦手な人にとっても大きな魅力を持っている商品でした。カップ焼そばらしからぬ、やさしい味。この「真空仕立て麺」でガッツリソース焼そばも食べてみたくはありますね。
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