「焦がしニンニク油」と「山椒練りこみ麺」が特徴の新しい「日清ラ王」
今回のカップ麺は、日清食品の「日清ラ王 焦がし醤油」。2018年9月10日発売の、「日清ラ王」シリーズの新商品です。焦がし風味のスープと「山椒練りこみ麺」を特徴とする商品で、「日清ラ王 焦がし味噌」と同時発売となっています。「焦がし味噌」も近日レポする予定です。黒を基調に赤をあしらった、いつものの「日清ラ王」とは明らかに異色のパッケージは、これまでのラ王とは別のステージへたどり着いたことを思わせる気合の入り方に見えます。「焦がしニンニク油」を加えた真っ黒いスープと「山椒練りこみ麺」を大きな特徴としており、もう見るからにおいしそう。焦がし風味の威力や麺に練り込まれた山椒がどんな効き方をしているのか、また、両者を組み合わせた相性もとても気になります。
それにしてもこのパッケージのインパクトは絶大で、威圧的な佇まいはもう「ラ王」というよりは「ラオウ」の方が相応しいのではないかと思ってしまいます。他の「ラ王」シリーズが「ジャギ」に見えてしまうレベル。このパッケージ見せられてしまうと、期待せざるをえないですよね。日清食品が鳴り物入りで登場させた新しい「ラオウ」、いや「ラ王」の実力を、ケンシロウになったつもりでしっかり見極めたいと思います。
商品概要
お湯を入れる前の「山椒練りこみ麺」。通常より黒っぽい色をしており、よく見ると山椒の粒子が練り込まれていることがわかります。かやくはミンチ肉やタマネギがなかなか多めに入っていて賑やかそうです。
品名:日清ラ王 焦がし醤油
メーカー:日清食品
発売日:2018年9月10日(月)
麺種別:ノンフライ麺
かやく・スープ:2袋(液体スープ・かやく)
定価:税別220円
取得価格:税込213円(イオン)
栄養成分表
1食117g(めん75g)あたりエネルギー:445kcal(めん・かやく337kcal スープ108kcal)
たん白質:10.2g
脂質:16.0g
炭水化物:65.0g
食塩相当量:6.1g(めん・かやく1.7g スープ4.4g)
ビタミンB1:0.27mg
ビタミンB2:0.38mg
カルシウム:174mg
しょうゆ、ニンニク、焦がし風味が均衡を保ち、3者のバランスが良いスープ
スープは「ニンニク醤油を使用したパンチのある醤油スープ」で、「焦がしニンニク油で香ばしい風味をきかせ」たとのこと。真っ黒いしょうゆ味のスープで、ニンニクの焦がした香りが立ち上ります。真っ黒いスープのイメージ通り、しょうゆの味が少し深めで、濃い風味が感じられます。ニンニクしょうゆを使用し、焦がしニンニク油も付与されているため、かなり強いニンニクなのかと想像しましたが、ニンニクは太いもののパンチがある効き方ではなく、しょうゆの香りとよく調和できています。焦がしニンニクの焦がした風味をかなり強く感じることができ、しょうゆ、ニンニク、焦がし風味の三国鼎立の様相を呈し拮抗しています。これはかなり良いバランスで、どの部分も出し抜けして主張しておらず、見事に均衡を保っていました。
もちろん、今回の主役である焦がし風味がおいしさの決め手となっていますが、ニンニクを効かせすぎないことが味のバランスを保てている大きな要因のように思います。
「山椒練りこみ麺」とは別にスープにも「山椒調味油」が入っているようですが、スープ単体では山椒はそれほど強くなく、スープをしっかり味わうとホントほのかに感じる程度です。隠し味的な位置づけでしょうか。これがまた大人の味の雰囲気や奥深さをだしていて好感が持てます。色んな要素が入り込みかなり複雑な味になっている中で、今回のスープはどの味も効かせすぎないことに主眼が置かれているように感じられ、奥深い味を演出できていました。かなりおいしいスープです。
山椒の存在をしっかり感じられる「山椒練りこみ麺」
麺は「"まるで、生めん。" のようなコシとつるみ、もっちりとした食感の太麺に、山椒の粉末を練りこみ」、「噛むほどに山椒の風味がじんわりと香」るとのこと。焦がし風味とともに今回の商品の主役を張る「山椒練りこみ麺」。上の写真を見ると、山椒の粒が練り込まれていることが確認できるかと思います。中細よりちょっと太いかなと感じますが、おそらく通常の「ラ王 背脂コク醤油」と同じような太さかと思います。
湯戻し前に少し麺を食べてみましたが、山椒の味はあまり感じませんでした。しかし完成後に食べてみると、ほのかながらしっかり山椒が感じられ、しかも食べ進めていくうちに口の中がジワーッと熱を帯びてくるのを感じました。最近流行りの激しいシビレとはまったく違いますが、山椒がしっかり作用しており、スープの焦がし風味と共存できています。これだけ香りものを揃えてよく共存できているなと感心してしまいます。
山椒以外は通常の「背脂コク醤油」と同じと思われ、香りの強いスープの中にあってもしっかり麺の味を主張できています。他社に比べると加水は抑えめで、麺の主張が前に出すぎていないのもスープの風味を活かす方向に作用していたように感じました。スープと麺の相性素晴らしいと思います。
ミンチ肉とタマネギがたくさん入った具の構成
具は「ミンチ肉、白ネギ、青ネギ、タマネギ」とのこと。通常商品である「背脂コク醤油」とは異なった具の構成で、チャーシューに替わってミンチ肉が入っています。
ミンチ肉は結構多めに入っており、肉量では通常商品に入っているチャーシューとそれほど違いはなさそう。スープに肉の味の厚みを加えています。それなりに食べ応えがあることに加え、黒いスープが染みてかなり黒っぽくなり、見た目でも「焦がし醤油」の雰囲気を強く押し出しています。ラオウの手下のザク的なポジションでしょう。なにがでしょうだと思わなくもないですがそんな感じです。
そしてタマネギがなかなか良い存在感です。ただでさえ香りものが多い今回の一杯の中で、タマネギの独特の風味まで漂っていますが、これもしっかり共存できているんですよね。味を作り上げているというよりはアクセントとして効いている印象。こちらはリュウガ的な立ち位置ですね。タマネギが光るのもやはり、たくさんの主役級がひしめく中で、どれも強く主張しすぎていないところが大きく影響しているのかなと思います。
オススメ度(標準は3です)
★★★★★★☆☆☆☆(6)焦がし風味と「山椒練りこみ麺」による、新基軸の「日清ラ王」でしたが、ある意味でカップ麺らしからぬ複合的な味で、確かに主役である焦がし風味がかなり有効に作用していたものの、それ以上に、各味の調和に重点が置かれている一杯のように感じました。しょうゆ、ニンニク、焦がし風味がバランスよく組み合わせられ、また麺の山椒、具のタマネギも効果的に組み合わさることで、複合的な大人の味を演出していました。これは相当においしい一杯だと感じました。このシリーズこれからもどんどん出て欲しいですね。
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