
「明治エッセルスーパーカップ」に対抗??バニラ風のスーパーカップ登場!!
今回のカップ麺は、エースコックの「スーパーカップ1.5倍 バニラ風味のクリーミーシーフード味ラーメン」。2018年7月30日発売の、大盛商品の大定番「スーパーカップ」シリーズの新商品です。バニラ風味のカップ麺がついに登場してしまいました。今週最大の注目商品かと思われます。世の中の人が「スーパーカップ」と聞いて思い浮かべるものは、「アイス」と「カップ麺」に二分されるかと思います。即ち、カップアイスの定番商品「明治エッセルスーパーカップ」か、大盛カップ麺のパイオニア「スーパーカップ1.5倍」のどちらか。「明治エッセル」が「スーパーカップ」と冠し始めたのが1994年なのに対し、我らがカップ麺の「スーパーカップ」は1988年の登場で、歴史はエースコックが上回るのですが、アイスとカップ麺では商品カテゴリが異なっているので、商標的な問題は生じなかったものと思われます。そもそも「スーパーカップ」というありふれた名称での商標登録は難しいことに加え、アイスの方はあくまで「明治エッセルスーパーカップ」で「明治エッセル」の方がメインのようです。
両者とも「スーパーカップ」として知名度のある定番商品ですが、今回は先輩であるカップ麺の「スーパーカップ」が「バニラ風」という、アイスを想起させる味で登場しました。バニラ風のラーメンなんて普通は存在しないので、これは「明治エッセルスーパーカップ」に対して何らかのアクションを起こしているというか、名称が同じなのを面白がって商品化したのは間違いないところでしょう。
お菓子系カップ麺の歴史
お菓子系の味をカップ麺で使用するのは、以前に「チョコ」を使った一連の商品がありました。私の知る限り最初のカップ麺は、今はなきとかち麺工房から2010年に発売された「麺屋武蔵 味噌ガーナ」かなと思います。強いみそ味の中でチョコをうまく制御できており、なかなかおいしい一杯だったと記憶しています。その後は明星食品から「明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース」(2016年)、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース」(2017年)、まるか食品からは「ペヤング チョコレートやきそば ギリ」(2017年)という商品が出ていましたが、いずれも斬新さはあっても味が伴っておらず、悪ふざけの印象が強い商品でした。また、明星食品からは2016年に「明星 一平ちゃん夜店の焼そば ショートケーキ味」という商品も出ていたものの、これもひどい味でした。
チョコでもショートケーキでも、今回のバニラでも、きちんとおいしいと感じられる味が伴っていなければ、それは作ってはいけない商品のように思います。遊び心と悪ふざけは別物です。食べ物で遊んではいけないと小さい頃に教えられました。その点で、真面目にチョコを入れて味の向上を図った「麺屋武蔵 味噌ガーナ」以外は、私の中であまり存在意義を認めたくない商品でした。今回の「バニラ風」は果たしてどうなのか、非常に気になるところです。ちょっとこわいです。
商品概要

品名:スーパーカップ1.5倍 バニラ風味のクリーミーシーフード味ラーメン
メーカー:エースコック
発売日:2018年7月30日(月)
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:2袋(かやく入り粉末スープ・後入れ粉末スープ)
定価:税別210円
取得価格:税込225円(ローソン)
栄養成分表
1食116g(めん90g)あたりエネルギー:504kcal(めん・かやく412kcal スープ92kcal)
たん白質:8.9g
脂質:17.3g
炭水化物:78.1g
食塩相当量:6.5g(めん・かやく2.2g スープ4.3g)
ビタミンB1:0.48mg
ビタミンB2:0.56mg
カルシウム:347mg
大量の粉末スープ

後入れの「バニラ風」の粉末とは別に、シーフード味の粉末スープも大量に入っています。これはひょっとすると、単なる「バニラ風」を面白がっているだけではない、濃厚な味が期待できるかもしれません。

パッケージには3種類の食べ方が書かれていましたが、今回は大量のシーフード粉末が入っていることを踏まえ、まずはちょっとだけシーフードだけで食べ、その後に「バニラ風粉末」を加えて食べてみたいと思います。
後入れの「バニラ風粉末」でミルク感の増す濃厚シーフード味スープ
スープは「ポーク・チキンをベースにホタテやえびの旨みを加えたスープ」で、「別添の後入れ粉末スープを加えることで、バニラのような味と風味が加わりシーフードとバニラが調和した一杯に仕上げ」たとのこと。まずは「バニラ粉末」を入れないで食べてみる

まずは後入れの「バニラ風粉末」を入れないで食べてみました。やや甘みを感じるシーフード味のスープで、後入れ粉末を入れずともこれだけで十分成立する濃厚且つまろやかな味に仕上がっています。上で触れた粉末スープの量に違わぬ、なかなかの濃厚感でクリーミーです。「カップヌードル シーフードヌードル」とは一味違う味のスープで、これはおいしい。
「バニラ粉末」を投入!!!

シーフード味のスープに後入れの「バニラ風粉末」を加えます。先入れの粉末もかなりの量でしたが、後入れ粉末もなかなかの量。真っ白な粉で、開けた段階からバニラのまったりした香りが漂います。果たして、単独で十分おいしかったシーフード味のスープがどう変化していくのか。
「バニラ粉末」でミルクシーフードの味に!!

スーパーカップでは重層入りの泡立ちの強いスープも以前出ていましたが、今回はそういうタイプではなく、純粋に白い色味が増しただけでした。バニラの風味は多少漂いますが、シーフードのスープと合わせることで、むしろちょっと牛乳っぽい香りのように感じました。
食べてみると、香り同様、バニラというよりは濃厚なミルク感が加わったシーフード味のスープに変貌します。ミルクシーフードの味と似ているように思います。バニラの風味も感じないわけではないですが、それほど不自然さがないというか、甘いミルクの香りとして認識でき、ゲテモノな感じが一切ありません。
バニラ風粉末をちょっとだけ舐めてみましたが、甘さが一切なく、ただミルク感のある味の粉末で、変な甘さでスープの味の邪魔をしていません。もともとのシーフード味が強いため、バニラ風粉末が加わっても味が壊れることもなく、濃厚なミルク感の加わったシーフードスープとしてしっかり成立していました。
パッケージにソフトクリームの写真を載せ、イロモノ臭、ゲテモノ臭を漂わせつつも、味はしっかり濃厚ミルクシーフード味で、これはおいしいです。上に書いた一連のチョコ味カップ焼そばとは一線を画すデキだと思います。これは悪ふざけでもなんでもなく、バニラ風粉末がきちんとおいしさにつながっていました。
噛み応えとスープのりの良さが特徴の中太油揚げ麺
麺は「しっかりした弾力と滑らかさを併せ持つ角刃のめん」で、「口の中で存在感をしっかりと感じられる、食べごたえ抜群のめんに仕上げ」たとのこと。「カドメン」とは書かれていませんが、噛み応え重視の中太油揚げ麺です。カドメンに比べるとちょっと食感がやわらかいのかなと思いますが、よくわかりませんでした。中太油揚げ麺で主張が強いですが、シーフードの濃いスープと合わせるときちんとバランスが取れています。まろやかまったりしたスープに対し、重量感ある麺で相性もとても良かったです。麺の表面につるみがないためか、スープのりが良いのも大きな特徴のように感じました。麺量は90gでスーパーカップシリーズ共通。大盛麺なので食べ応えがあり、まずはシーフード味のスープを十分に楽しみ、その後に「バニラ風粉末」を加えてミルク感を楽しむという食べ方に十分耐えうる麺量です。
カニカマが大ぶりで厚みがあって、スープとの相性も良い
具は「シャキシャキとした食感の良いキャベツ、色調の良い卵、大きく存在感のあるかに風かまぼこを加えて仕上げ」たとのこと。具の量はそれほど多くありませんが、かに風かまぼこはたくさん入っています。すでに「カップヌードル シーフードヌードル」で実証されている、シーフード味スープとカニカマの相性の良さですが、今回もシーフードスープの中でカニカマの甘みが映えていました。カップヌードルに入っているものに比べてだいぶ大ぶりで厚みがあり、食べ応え十分のカニカマでした。
反面、キャベツや卵にあまり存在感なかったですが、カニカマ一点突破の具の構成は悪くないと思います。
オススメ度(標準は3です)
★★★★★☆☆☆☆☆(5)正直、チョコ味カップ麺同様の悪ふざけの商品を想像していましたが、バニラ風味によって濃いシーフードスープの厚みが増し、ミルク感たっぷりの味を楽しむことができました。遊び心がありつつきちんと味が伴う素晴らしい商品だと思います。「バニラ風粉末」にいっさい甘みがないのが肝なのかなと感じました。変に甘ったるさのないところがカップ麺としてしっかり成立していた大きな要因でしょう。決して味が伴わっていないイロモノやゲテモノの類ではないので、話のネタとしても安心して食べて大丈夫です!!
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