
「創味シャンタン」使用の「八宝菜風」カップ麺
今回のカップ麺は、サンヨー食品の「サッポロ一番 創味シャンタン 八宝菜風塩ラーメン」。2018年7月16日に発売された新商品です。スーパー等でよく見かける中華調味料「創味シャンタン」を使用したカップ麺です。「サッポロ一番 創味シャンタン かに玉風醤油ラーメン」も同時発売となっています。「創味シャンタン」は、創味食品から出ている中華調味料の定番商品で、もともとは業務用調味料として販売されていたものが、2015年から家庭用としても販売されるようになりました。もともとは業務用一本で、家庭用には創味食品が廣記商行にOEM供給して「味覇」ブランドで販売されていました。契約上のもつれから「味覇」への供給が終了し、「創味シャンタンDX」として新たに創味食品から販売されるに至りました。現在の「味覇」はアリアケジャパンから供給を受け、もともとの「味覇」の内容物だった「創味シャンタン」とライバル関係にあります。スーパーで見かける中華調味料と言えば以前は「味覇」一辺倒でしたが、今では「創味シャンタン」しか置いていないお店も結構見かけます。もちろん、「味覇」しか置いていないお店もたくさんあります。詳しいことはわからないですが、結構勢力図は拮抗しているんじゃないですかね。
以前、エースコックから「味覇」のカップ麺が出ており、今回サンヨー食品から「創味シャンタン」のカップ麺が出たことで、サンヨー食品グループは「味覇」と「創味シャンタン」の中華調味料のライバル関係にある2つをどちらも引き入れたことになります。傍から見るとこの状況は大丈夫なのかとちょっと心配になりますが、どうなんでしょうかね。
私が心配したところでおそらく問題ないんだろうし、余計なお世話なこと甚だしいので、早速食べてみたいと思います。

商品概要
品名:サッポロ一番 創味シャンタン 八宝菜風塩ラーメンメーカー:サンヨー食品
発売日:2018年7月16日(月)
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:2袋(液体スープ・かやく)
定価:税別180円
取得価格:税込138円(イオン)
栄養成分表
1食83g(めん55g)あたりエネルギー:317kcal(めん・かやく234kcal スープ83kcal)
たん白質:5.9g
脂質:13.7g
炭水化物:42.5g
食塩相当量:5.1g(めん・かやく1.3g スープ3.8g)
カルシウム:199mg

「創味シャンタン」を使用する強みをあまり感じないスープ
スープは「中華だしのロングセラー『創味シャンタン』をベースに、ポークやチキンのうまみ、野菜やイカ、貝、えびの魚介のうまみを合わせ」、「胡椒で程よくスパイシーに仕上げた八宝菜風塩味スープ」とのこと。中華調味料とともに鶏や野菜の旨みが感じられるしお味のスープです。中華調味料を使用し、野菜や鶏の旨みによって中華風に仕上がっています。今回は「八宝菜風」なので、野菜の味がしっかり感じられるのは良かったですが、片栗粉で付けられる八宝菜のとろみは今回のスープにはなく、さらっとしています。そのため、八宝菜の再現性はちょっと限定的のように感じられました。
加えて、「創味シャンタン」を使ったからこういう味になった!みたいなオリジナリティはあまり感じず、カップ麺では普通によくありそうなスープの味となっています。というのも、もともと中華調味料に入っている材料はカップ麺でも広く使用されているものが多く、それが中華調味料に置き換わってもあまり味に変化がないんですよね。ラーメン店で中華調味料が使われる場合も多く、味が共通するのは必然だと思われます。以前出ていた「味覇」のカップ麺でも同様の印象を受けました。
中華調味料はその材料がカップ麺と合致しすぎていて、カップ麺として独自性を出すには不向きな素材なのかなと思います。今回のスープは決してまずかったわけではないですが、わかりやすいかたちで「創味シャンタン」を使ったことによる強みを感じることはできませんでした。メーカーサイドでは中華調味料を使うことによって味を作りやすくなったとか利点はあるのかもしれません。
弾力強めの中細油揚げ麺で、スープとのバランスはよく取れている
麺は「ちぢれをつけることでスープがよく絡むめんは、表面につるみをもたせた、粘りのある食感」とのこと。中細で縮れのある油揚げ麺です。見た目では100円くらいの商品でも使われている汎用麺かなと思いましたが、食べてみると強めの弾力を感じる麺で、コシがしっかりしていました。サンヨー食品の油揚げ麺はソフト食感のイメージが強かったので、この弾力はちょっと意外でした。中華調味料を使用したためか、今回のスープは地の強い味になっているため、これくらい弾力があった方がスープとのバランスが取れて良いと思います。
ただ、定価税別180円のどんぶり型商品で、ノンフライ麺ではなく油揚げ麺を使用するならば、もうちょっと麺量は欲しかったかなと感じます。おそらく定価180円と言いつつもある程度ディスカウントされることを想定した商品だと思われるものの、日清食品や東洋水産からはノンフライ麺の180円商品が出ている状況を考えれば、「創味シャンタン」の付加価値だけではちょっと物足りがあるのは否めないところです。
野菜が少なめで白菜が入っておらず、あまり八宝菜らしさを感じない
具は「チンゲン菜のシャキシャキとした食感とキクラゲのコリコリとした食感がスープとよく合い、食欲をそそ」り、「ナルト、人参を加えて彩りよく仕上げ」たとのこと。数種の野菜が入っていますが、ボリュームはあまりありません、野菜が数種入っており、特にチンゲン菜はちょっと苦味のあるそれらしい味を再現できていましたが、全体的にボリュームが物足りないです。八宝菜は主力のタケノコや白菜が入っておらず、また野菜の量が多いことが八宝菜の大きな成立基盤なのにそれほど量が多く入っていないので、これだと八宝菜らしさは限定的のように思います。この野菜の量ならば、何かしら魚介とか肉が欲しかったですね。100円程度で売られているPB商品などと具のクオリティには大差がないように感じました。
オススメ度(標準は3です)
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)「創味シャンタン」を使用した「八宝菜風」の一杯でしたが、まず中華調味料の味はもともとカップ麺で使用されている調味料と被るため、「創味シャンタン」を使用することに大きな強みはなかったです。また、スープにとろみがついておらず、タケノコや白菜が入っていないことを含め野菜の量があまり多くなかったため、八宝菜らしさも限定的になってしまっていまいた。定価ではなく100円程度で買えると想定して★3にしますが、コンビニ店頭でも並ぶようなので、定価あたりで買うならば★2かなと思います。同時発売の「かに玉風醤油ラーメン」に期待したいと思います。
カテゴリ