
「ニュータッチ」vs「旅麺」の「浅草ソース焼そば」対決
今回は、ヤマダイの「ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば」と、サンヨー食品の「サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば」を食べ比べます。どちらもそんなに店頭で見かけることのない商品なので、両者を比較するこの記事に需要があるのかはちょっと微妙かもしれません。でも、「浅草ソース焼そば」というあまり聞き慣れない名前の焼そばが、1社ならず2社から出ていることにとても興味があり、是非比較してみたいと思っていました。私は浅草の近所に住んでいたことがあるし、たまにテレビで浅草界隈の焼そばを出す店が紹介されているものも見たことはあったものの、「浅草ソース焼そば」という括りはカップ麺以外で見たことなかったです。「浅草ソース焼そば」として何か共通点があるのか、それもとまったく別物なのか、食べるのが楽しみです。
商品概要
品名:ニュータッチ 東京浅草ソース焼そばメーカー:ヤマダイ
発売日:2017年5月15日(月)
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:3袋(後入れ液体ソース・かやく・ふりかけ)
定価:税別170円
取得価格:税別118円(卸売スーパー)
品名:サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
メーカー:サンヨー食品
発売日:2017年8月21日(月)
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:1袋(液体ソース)
定価:オープン価格
取得価格:税込138円(爽快ドラッグ)
栄養成分表
ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば1食128g(めん100g)あたり
エネルギー:549kcal
たん白質:8.3g
脂質:19.0g
炭水化物:86.3g
ナトリウム:1.7g
サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
1食109g(めん85g)あたり
エネルギー:452kcal
たん白質:8.0g
脂質:18.4g
炭水化物:63.7g
ナトリウム:1.5g
ビタミンB1:0.33mg
ビタミンB2:0.58mg
カルシウム:208mg
まず両者、麺量に15gの差があります。それに伴い、カロリーや脂質でもニュータッチが上回っています。ニュータッチが定価170円、旅麺がオープン価格ということで、そもそも違うクラスの商品にも思えますが、ニュータッチシリーズは基本的に100円強くらいで店頭に並んでいることが多く、旅麺の価格帯と被っています。価格的には十分比較対象ではあるものの、麺量の差は結構大きいです。

「ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば」の麺。太めの少し黒い麺で、他のニュータッチの焼そばタイプでも使われている麺なので、特に浅草だからこの麺というわけではないのでしょう。しょうゆが練り込まれているそうです。

「サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば」の麺。ニュータッチに比べるとひと回り細いです。こちらも黒みがかってはいるものの、しょうゆとかソースが練り込まれているわけではないようです。

「ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば」の調理後。海苔や揚げ玉で賑やかな印象の一杯に仕上がっています。色合いがちょっとお祭りっぽいのでこれが浅草ってことでしょうか。

こちらは「サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば」の調理後。いかにも安価なカップ焼そばという佇まいです。こう比べてしまうと、麺量に比べて具の充実ぶりも結構な差で、この2種は本来なら比較するべきではないのかもしれません。
ソース
・ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば「スパイスの効いたソースにじっくり炒めた玉ねぎの風味と炒め焦がした風味をオイルでプラスし、玉ねぎとビーフの深みのある旨味と甘味でよりソースの風味を感じられるように」し、「甘味と酸味、辛味のバランスのとれた食べ飽きない味に仕上げ」たとのこと。
・サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
「酸味と甘みのバランスがとれたウスターソースと豚バラ肉を炒めた香りが特徴の東京下町、浅草風の焼そばソース」とのこと。
どちらもウスター系の酸味や甘味のあるソースなのが共通点ですが、酸味も甘みもニュータッチが強いです。ニュータッチのソースの強さは実際の焼そばのソースではあまりお目にかかれない、ある意味カップ麺らしい派手な味という印象。酸味や甘味だけではなく全体的に濃い味となっています。一方の旅麺は、全体的に味が薄めではあるものの、相対的にも酸味や甘味は抑え気味で、焼そばとして自然な味わいとなっています。同じ「東京浅草ソース焼そば」でも味は全然違います。ニュータッチが牛肉の風味を感じるのに対し、旅麺は豚肉の風味で、個人的には豚肉の味に方に焼そばとしての郷愁を感じます。明らかにコストがかかっているのはニュータッチの方で、旅麺は安価商品らしく味に厚みは感じないものの、焼そばソースとしてはより自然に感じられました。ソースは引き分けかな。
麺
・ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば「モッチリとした弾力のある食感にしょうゆを練りこんだ味付け麺」とのこと。
・サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
「しなやかさと適度なコシがある、食べやすい麺」とのこと。
両者で麺量がだいぶ違うことは先に触れましたが、その他にも、ニュータッチは太麺で、濃いソースとのバランスがとても良いです。安価商品ならぬ食べ応えがあります。一方の旅麺はあっさりめのソースに合わせる形で麺が細めで、これもまたソースと麺の相性は良いです。濃さと力強さで押してくるニュータッチに対し、自然な焼そばらしさで対抗する旅麺といったところでしょうか。ソースと麺のバランスを考えると互角ですが、さすがにボリュームがだいぶ違うので、麺はニュータッチが勝っていると判断します。旅麺の自然な焼そばらしさ好きなんですけどね。
具
・ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば「かやく(キャベツ)、ふりかけ(イカ入り揚げ玉、紅生姜入り揚げ玉、きざみ海苔)」とのこと。
・サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
「シャキシャキのキャベツがおいしさをひきたて」るとのこと。
どちらも焼そばらしさを強調できる豚肉が入っていません。ここはどちらもマイナス。ニュータッチはキャベツの他に2種類の揚げ玉ときざみ海苔が入っていて、豚肉が入っていないことを除けば具に不足感はありません。2種類の揚げ玉はそれぞれに味の個性がよく出ており、イカの風味、紅しょうがの香りがきちんと感じられます。揚げ玉やきざみ海苔の存在が、濃いめのソースをうまく中和できていると感じました。一方の旅麺は、安価カップ焼そばお馴染みのキャベツのみ。ニュータッチと違い、こちらはいかにも安価商品という形になってしまっています。スーパー等のPB商品とクオリティ的には同じですね。断然ニュータッチの勝ち。
オススメ度(標準は3です)
・ニュータッチ 東京浅草ソース焼そば★★★★☆☆☆☆☆☆(4)
・サッポロ一番 旅麺 浅草 ソース焼そば
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)
両者、「浅草ソース焼そば」という括りで、同じような価格で販売されている商品ですが、味の傾向もボリュームもまったく異なっていました。ニュータッチは、100円強程度で買えるのであれば優れた一杯で、麺のボリューム、具の賑やかさで旅麺に大きく勝っていました。巷を席巻している安価なPB商品ではなく、こちらを選ぶ価値は十分にあります。一方の旅麺は、自然なソースと麺のバランスが光るものの、クオリティは安価商品の範疇を出ず、PB商品だと同じような価格でマヨネーズの付いた大盛商品を買えてしまうことを考えれば、自ずと評価は下げざるをえません。個人的には旅麺のソースと麺のバランスは好きで、サンヨー食品のカップ焼そば作りは相変わらず上手だと感じたものの、旅麺には個性が感じられず、両者比べるとオススメできるのはニュータッチだと判断しました。
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