30年前のスーパーカップの復刻版と現行スーパーカップの食べ比べ

今回のカップ麺は、エースコックの「復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て」。2018年7月2日発売の「スーパーカップ」シリーズの新商品です。「スーパーカップ」が発売30週年を迎えたことを記念し、1988年発売当初のスーパーカップを復刻させた商品となります。しょうゆ、みそ、とんこつ、いか焼そばの4種類が復刻されています。当時はまだ「スーパーカップ」とは名乗っていなかったんですね。

1988年といえば、若々しいとは言え私オサーンも十分に記憶のある年なんですが、このパッケージは記憶にあるようなないような微妙なところです。当時まだ幼かった私はカップ麺とかあまり興味なかったですからね。せっかく復刻版を出してくれたので、現行の「スーパーカップ」と食べ比べてみたいと思います。

4種の復刻版のうち、まずは今回の「スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て」ですが、比較対象となる現行品は「スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン」。復刻版の商品名に「生しょうゆ」とつけられているのはおそらく、当時は主流だった粉末スープだけではなく、液体スープも使用しているからだと思われます。現行品はパッケージに「鶏ガラ醤油」と書かれています。

今回の商品が当時の味をどれだけ再現できているのかはわかりませんが、「スーパーカップ」がどんな進化を遂げているのか見てくのが楽しみです。現行品の圧勝に期待したいです。



商品概要


左が復刻版で、右が現行のスーパーカップ。

品名:復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て
メーカー:エースコック
発売日:2018年7月2日(月)
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく)
定価:税別200円
取得価格:税込148円(イオン)

液体スープ、粉末スープ、かやくという構成は、復刻版と現行品どちらも同じでした。かやく袋内の内容物が多少異なっており、現行品はコーンが入っているのに対し、復刻版は小さいナルトが入っています。



左が復刻版の麺で、右が現行品の麺です。復刻版の方が麺が細く、黄色味が薄くなっています。おそらく何代にもかけて進化を遂げ、現在の「カドメン」に辿り着いているため、麺は両者の違いを最も大きく見せる部分なのではないかと思われます。

スープのカロリーは現行スーパーカップが倍近く大きい

復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て
1食108g(めん90g)あたり
エネルギー:447kcal(めん・かやく400kcal スープ47kcal)
たん白質:10.5g
脂質:16.5g
炭水化物:64.2g
食塩相当量:7.3g(めん・かやく2.4g スープ4.9g)
ビタミンB1:0.45mg
ビタミンB2:0.56mg
カルシウム:335mg

スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン
1食108g(めん90g)あたり
エネルギー:466kcal(めん・かやく382kcal スープ84kcal)
たん白質:9.3g
脂質:18.0g
炭水化物:66.7g
食塩相当量:7.6g(めん・かやく2.8g スープ4.8g)
ビタミンB1:0.36mg
ビタミンB2:0.33mg
カルシウム:227mg

全体カロリーは現行品が上回りますが、麺のカロリーは復刻版が大きく、スープは倍近く現行品のカロリーが高くなっています。スープの濃厚さではかなりの違いがありそうですね。他では、カルシウムがだいぶ復刻版の方が多くなっています。

完成品の比較



こちらは復刻版。麺がスープ吸ってだいぶ太くなっていることがわかります。スープの表面が麺に隠れて見えにくくなっていました。大きいチャーシューに加えて細切れのチャーシューも入っているのが面白いです。



こちらは現行品のスーパーカップ。復刻版に比べて麺がスープを吸っていないことがわかります。このあたりは伸びにくくなったという麺の進化と捉えて良いのではないかと思います。具にはコーンが入っているのが特徴ですが、復刻版と比較するとメンマにもだいぶ迫力を感じました。大きいチャーシュは復刻版と現行品で同じものに見えます。



しょうゆの香り、鶏ガラの強さともに現行品のスープが上回るのに対し、復刻版は胡椒が強い

スープは「チキンをベースに生しょうゆの豊かな味わいの発売当時をイメージした醤油スープ」で、「香味野菜でクセになる味わいにし」たとのこと。「チキンをベース」にした「生しょうゆの豊かな味わい」のスープとのことですが、チキンと生しょうゆどちらの存在よりも胡椒の強さが目立っているスープのように感じます。

一方で現行のスーパーカップは「鶏ガラ醤油」と銘打っているだけあり、鶏ガラの存在をしっかり感じられ、また、しょうゆの香りも強く感じます。さらに現行品は、表面に浮く油でこってり感まで演出できていました。しょうゆラーメンのスープとしてはだいぶ現行品の方が優れているのかなと思います。現行品が胡椒の強さ以外で劣っている点が見受けられません。

この味の違いには時代背景も大きく関係していそうだ勝手に想像しています。というのも、昔に比べて最近は、ラーメン屋に行っても、一口も食べる前から卓上の胡椒を大量にラーメンにふりかけている人減りましたよね。以前は、お寿司にガリ、うなぎに山椒のように、ラーメンに胡椒を入れるのが当たり前のような食文化だったのが、時代と共に変遷していっているように思います。ラーメンがグルメ化していく中で、出されたものをそのまま味わう食文化が浸透している影響が大きいのではないかと感じました。

「カドメン」に比べて復刻版の麺は伸びやすい

麺は「弾力とコシをあわせ持つ食べごたえのあるめん」とのこと。湯戻し前はもっと細いかと思っていましたが、完成後はスープを多く吸って中太くらいになる油揚げ麺です。現行の「カドメン」とはだいぶ異なった食感の麺となっています。

スープを吸って膨張した麺は、カドメンに比べてコシや弾力が弱く、ちょっと伸びてしまっている印象を持つ麺でした。もちろん、今回は復刻版と現行品を食べ比べているため、食べ進めるスピードが遅く、どうしても麺が伸びてきてしまう部分は否定できません。ただ、現行スーパーカップの「カドメン」が強い歯応えを保ち続けるのに対し、復刻版の麺はフニャフニャになるのが早かったです。これは製麺技術の進化が大きいと思われ、カップ麺製造各社は日々、伸びにくい麺の開発を怠っていないのがこういうところに出ているのかなと思います。

もちろんスープと同様、食の好みが時代とともに変化していった面もあるかと思います。昔に比べて現在は、ラーメンの地位が向上し、麺のコシにこだわる人が多くなったように感じています。昔はもっとフニャフニャの麺を出すお店も多かったですよね。当時もそれが良いとは思われていなかったと思いますが、現在で同じことをやると生き残っていけないのは間違いないと思われます。

四角いチャーシューは両者共通だが、1988年当時のチャーシューは四角かったのだろうか?

具は「2種類の焼豚、メンマ、なると、ねぎを入れ」たとのこと。四角いチャーシューは見た目も食べた印象も両者共通かなと思います。スーパーカップのチャーシューが四角になったのって結構最近じゃなかったですかね?1988年当時はチャーシュー四角くなかったと記憶しているんですが、実際どうだったのでしょうか。

復刻版は現行品にはないナルトが入っているとともに、大きめの四角いチャーシューの他に細切れのチャーシューも入っています。軽く肉盛りですね。細切れの方は特に存在感があるものではなかったですが、2種類肉が入っているということに、サービス的な意味があるのかなと思います。

一方で、現行品には復刻版には入っていないコーンが入っています。このコーンもそれほどスープと相性が良いとは思いませんが、それよりもメンマのカットが復刻版より大きく、ちょっと量も多かったのが印象的でした。

オススメ度(標準は3です)

・復刻版 スーパーチャーシューラーメン生しょうゆ仕立て
★★★☆☆☆☆☆☆☆(3)
・現行品 スーパーカップ1.5倍 しょうゆラーメン
★★★★☆☆☆☆☆☆(4)


復刻版の胡椒の強いクラシックな味わいも悪くなかったですが、現行品はしょうゆの香り、鶏ガラの強さ、そして適度なこってり感で復刻版を大きく上回っており、進化がしっかりと感じられました。また、麺にもだいぶ違いがあり、復刻版は伸びやすいのに対し、現行のカドメンは時間経過後も歯応えを保っていました。製麺技術の進歩もハッキリわかるレベルです。復刻版については味を懐かしむためのもので、味をどうこう評価するものではないと思いますが、現行品の方が格段に完成度が高かったです。逆じゃなくて良かった。

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