「辛ラーメン」は日本では袋麺とカップ麺の両方で展開されている

今回は、韓国のインスタント麺市場で圧倒的なシェアを誇る「辛ラーメン」の日本版、農心ジャパンの「辛ラーメン」の、「カップ麺」と「袋麺」の両方を食べ比べてみたいと思います。韓国では1986年に袋麺の「辛ラーメン」が発売され、日本のように多種多用なインスタント麺の市場が存在しない中で、圧倒的なシェアを占めるに至りました。90年台に入って日本でも売られ始め、今ではスーパー等に広く出回る商品となっています。そしてその後、袋麺の人気を踏まえ、カップ麺も発売されています。日本に入ってきた当初の「辛ラーメン」は、韓国語のパッケージで韓国で出回っているのと同じ商品が輸入されていましたが、現在は韓国と日本で売られている商品は外装も中身も別のようです。日本版になってから辛さがだいぶ弱くなってように感じています。

袋麺とカップ麺の両方で展開される商品は、「日清ラ王」や「マルちゃん正麺」など、日本メーカーでも珍しくありませんが、「辛ラーメン」は日本ではともに似たような価格で販売されており、どちらも100均の店頭でも並んでいます。日本の袋麺の場合、具が入っていないことが多いため、何かしら一手間加える必要ありますが(私は具無しで袋麺よく食べますけどねw)、辛ラーメンは袋麺でも具が入っており、なにか後入れせずに食べられるため、カップ麺とは比較対象になりえます。

そこで今回は、特に手を加えずに規定の調理のままで、「辛ラーメン」の「カップ麺」と「袋麺」を比較していきたいと思います。調理法の火力で勝る袋麺が有利なのは容易に想像できますが、似たような価格で売られている両者の中身が実際どう違うのか興味があります。とは言っても私はタイのインスタント麺は食べても韓国のは普段全然食べないんですけどね。最近よく「辛ラーメン」のカップ麺を見かけたので興味がわいた次第です。たまには韓国のものを食べてみたいと思います。

定価は袋麺が20円安い

品名:辛ラーメン カップ
メーカー:農心ジャパン(製造は韓国農心)
発売日:不明
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:1袋(粉末スープ)
定価:税別180円
取得価格:税込105円(ダイソー)

品名:辛ラーメン 袋麺
メーカー:農心ジャパン(製造は韓国農心)
発売日:不明
麺種別:油揚げ麺
かやく・スープ:2袋(粉末スープ・かやく)
定価:税別160円
取得価格:税込105円(ダイソー)



「辛ラーメン」の「カップ麺」と「袋麺」の内容物比較



こちらは「辛ラーメン カップ」。野菜中心の具がそれなりの量入っていますが、中身を見る限りは、「カップヌードル」や「QTTA」など、日本メーカーの代表的な180円商品に比べるとちょっとチープな感じ。でも日本の定価180円商品でもチープなものありますからね。



一方の「辛ラーメン 袋麺」。袋麺商品としては珍しく、別添袋で「かやく」が入っているのが大きな特徴です。写真の比較からでは難しいですが、実際両者を比べると、麺の太さが全然違うことがわかります。カップ麺が中細麺なのに対し、袋麺は太麺に近い印象。また、麺量も圧倒的に袋麺が上回っているように見えます。

袋麺の圧倒的な麺量の多さがわかる栄養成分の比較

辛ラーメン カップ
1食68g(めん55g)あたり
エネルギー:302kcal
たん白質:4.7g
脂質:12.4g
炭水化物:43.0g
ナトリウム:1.3g(めん・かやく0.5g スープ0.8g)

辛ラーメン 袋麺
1食120g(めん107g)あたり
エネルギー:506kcal
たん白質:10.4g
脂質:16.3g
炭水化物:79.5g
ナトリウム:1.8g(めん・かやく0.8g スープ1.0g)

両者栄養成分を比較すると、明らかに違うのがやはり麺量。カップ麺は一般的な定価税別180円商品としてはちょっと少なめの55gなのに対し、袋麺は105gという、袋麺としては多めの量。結果、倍近い麺量の違いとなっています。「ラ王」や「正麺」でもカップ麺より袋麺の方が麺量は多いのですが、差はここまではないです。麺量の差に伴い、ほぼすべての数値で袋麺が上回っています。

調理後写真の比較



こちらは「辛ラーメン カップ」。野菜はそれなりにたくさん入っていることがわかります。辛ラーメンのスープは真っ赤だと勝手にイメージしていましたが、改めて見てみるとそんなに赤くなかったです。特に特徴的な部分は見当たらず、ちょっと野菜が多めの普通のカップ麺に見えます。



一方の「辛ラーメン 袋麺」。麺をきちんと撮りたかったので、丼ではなく底の浅めな容器に盛り付けました。カップ麺に比べると具はだいぶ少ないですが、やはり圧倒的な麺量。そして写真の比較ではわからないですが、麺の太さも全然違い、袋麺の方がだいぶ太いです。スープの色は似ているものの、これ本当に同じ「辛ラーメン」なのかと疑問に思ってしまうレベルで麺が全然違います。日本メーカーの商品だと、さすがにここまで違うのはないですね。


野菜の旨みやスパイスの効いた袋麺が断然おいしいスープ

スープは「厳選した唐辛子の『辛さ』、ブレンドしたオリジナルスパイスと素材の旨み成分がたっぷり溶け込んだ『旨味スープ』、『旨さ』と『辛さ』がマッチした絶妙なおいしさがクセになる『うまからっ!』味」とのこと。メーカーサイトの商品説明の文章が、カップ麺と袋麺で全く一緒でした。しかし味はまったく違います。ともに辛さは同じくらいで、激辛の範疇ではあるものの日本メーカーのカップ麺だともっと辛いものはいくらでもあります。韓国で出回っている「辛ラーメン」は日本のよりも辛いそうなので、日本用に辛さをセーブしているようです。日本の場合、辛ラーメンの販路は概ねスーパーに限定されるため、購買層を考えるとあまり極端な味にできないのかもしれないですね。

両者比較すると、袋麺のスープの良さが際立ちます。辛さは同じくらいなものの、辛味以外の香辛料が効いている上、野菜の旨みが感じられ、しょうゆの香りも強めに感じます。味に厚みのあるスープに仕上がっていました。一方のカップ麺のスープは、にんにくの味が目立つ点で袋麺と異なるものの、全体的にはちょっと厚みの足りない味になっていて、辛さと塩けだけが目立っている印象。辛いことが共通する以外は断然袋麺のスープの方がおいしいです。同じ「辛ラーメン」を名乗って良いのか?ってくらい違うスープのように感じました。袋麺はさすがのロングセラー定番商品だと思う一方、カップ麺は袋麺の味をイメージするとだいぶチープに感じられてちょっと残念でした。

麺量や太さだけではなく、袋麺の弾力ある食感は大きな魅力

麺は「特殊な方法で作られた楕円形の麺線によるなめらかな口当たり、特別に配合した高級麺用の小麦粉を使用したコシのある麺」とのこと。こちらも商品説明が両者同じです。麺量と太さで袋麺が勝ることはすでに述べましたが、太さについては調理法が違うため致し方ない部分はあります。日清食品くらい技術力があれば、以前の「太麺堂々」シリーズのような、極太油揚げ麺を作ることが可能なんでしょうが、湯戻し調理で太麺にするとどうしても平打ち麺になってしまいます。兄弟とは言え火力がラオウとジャギくらい違いますからね。

概ね同じ材料を使った麺だとは思うのですが、太さが違うためか、まったく食感も異なっています。袋麺の麺は太麺に近い油揚げ麺で、ちょっと多加水麺っぽい弾力ある食感はなかなかの迫力があり、「楕円の麺線」もしっかり感じられます。日本メーカーの油揚げ麺を使った袋麺ではなかなかお目にかかれない食感で、これは大きな強みかと思います。一方のカップ麺の麺は中細油揚げ麺で「高級麺用の小麦粉を使用」していることはまったく実感できず、廉価商品レベルのデキに感じてしまいます。麺も袋麺の方が大きく上回っていました。

具の量はカップ麺が袋麺を大きく上回る

・辛ラーメン カップ
にんじん、ねぎ、しいたけ、唐辛子。

・辛ラーメン 袋麺
チンゲンサイ、しいたけ、味付大豆蛋白、にんじん、ねぎ、唐辛子フレーク。

具は種類こそ袋麺の方が多いですが、量はカップ麺の圧勝。しいたけ、ねぎ、にんじんが結構たくさん入っていました。カップ麺には肉系の具は入っておらず、袋麺には肉を模した細かい大豆蛋白が少しだけ入っています。具で初めてカップ麺が袋麺を上回ったものの、スープや麺での劣勢を覆すほどの優位性はないように感じました。

オススメ度(標準は3です)

・辛ラーメン カップ
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(2)

・辛ラーメン 袋麺
★★★★★☆☆☆☆☆(5)

袋麺はさすがロングセラーと言える完成度の高さで、思ったほど辛くはない以外は非常によくできた商品でした。少ないながら袋麺としては珍しい具入りで、商品単体でラーメンとして成立するのも良いところだと感じました。一方でカップ麺は、袋麺と同じ「辛ラーメン」を名乗るにはスープも麺もクオリティが足りず、現状の100円程度で売られる商品と考えるならそれなりに需要はあるかと思いますが、定価税別180円に近い価格で売るならばちょっと厳しい商品でした。同じ「辛ラーメン」でも両者まったく違う商品で、鍋で調理できる環境ならば是が非でも袋麺を選ぶ方が幸せになれると思います。

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